西部気候イニシアチブ

  • 西部気候イニシアチブはアメリカ、カナダの各州が参加しています。
  • ASTM D6866試験はWCI温室効果ガスプロトコルに組み込まれています。
  • ベータ・アナリティック社は生物起源CO2排出ガスの定量のための信頼あるツールをWCIのようなイニシアチブに提供しております。

Carbon Dioxide

2007年2月に発表された西部気候イニシアチブでは米国7州(アリゾナ州、カリフォルニア州、モンタナ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州)及びカナダ4州(ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、ケベック州、オンタリオ州)が参加しました。参加各州の合計で2020年までに温室効果ガス排出を2017年比15%削減を目標に掲げています。参加国を合計するとカナダ経済の70%以上、米国経済20%以上を占めています。2011年の11月には、カリフォルニアを除く米国の全 6 州(アリゾナ州、モンタナ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州)が西部気候イニシアチブから脱退しました。2018年5月にノバスコシア州が西部気候イニシアチブに参加。2018年7月、オンタリオ州がキャップ&トレード制度を廃止し、すべての排出取引を禁止しました。現在、西部気候イニシアチブには、カリフォルニア州、ノバスコシア州、ケベック州の3州のみが参加しています。

WCIでは廃棄物燃料排出ガスのためにASTM D6866試験を義務づけています

報告義務のためのWCI必須必要要件は、混合燃料や廃棄物燃料を使用している一般定常燃焼施設では ASTM D6866 を利用し少なくとも3ヶ月毎に二酸化炭素排出ガス中の生物起源二酸化炭素濃度の決定が義務づけられています。廃棄物燃料とは、化石起源物質由来燃料、または化石起源および生物起源物質混合燃料(例:都市廃棄物、中古タイヤ、乾燥 下水汚泥 、化石起源由来化学物質を含んだおがくず)が例として挙げられます。

(a)重量にしてバイオマス5%以下の燃料または(b)一般定常燃焼施設での廃棄物燃料の利用が重量にして年間総燃焼燃料の30%以下の場合、ASTM D6866試験は義務づけられていません。排出ガス採取に関しては、 ASTM D7459 標準規格に従う必要があります。

WCIでは2010年までにこれらの報告義務必要要件の実施を目指しています。詳細は WCI Recommends ASTM D6866 Testing for Mixed Fuels Emissions をご参照ください。

情報源: WCI Mandatory Reporting page :英語のみ (ページ51、52)

WCI排出量取引制度(Cap-and-Trade Program)

carbon dioxide emissions for ASTM D6866 testing温室効果ガスにより引き起こされるグローバルな気候変動問題に取り組む目的で、西部気候イニシアチブでは欧州連合域内排出量取引制度と同様の市場を基盤とした排出取引制度(cap-and-trade system)の開発・実施を目指しています。WCIは多数セクターからの排出ガスのほぼ90%を対象としていて、温室効果ガスを削減させるためだけでなく、低炭素社会づくり、エネルギー経済のクリーン化、グリーンテクノロジー成長、輸入燃料への依存の削減を目指しています。

西部気候イニシアチブの排出量取引制度では、発電、工業的・商業的化石起源燃料燃焼施設、工業プロセス、運輸、住宅用燃料から排出される二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、ペルフルオロカーボン類(HFCs)、六フッ化硫黄(SF6). 三フッ化窒素(NF3)を対象としています。

本プログラムのもとでは、各企業・事業者は特定の期間においての排出ガスと同量の排出枠を政府に提出することが義務づけられています。十分な排出枠を確保できない企業・事業所には不足分のそれぞれの排出枠に対し3つ排出枠の「罰金」の措置がとられます。マルチセクターの排出取引制度では3年が対応期間となっています。

企業・事業者はオークションで排出枠を購入、流通市場での排出枠の売買、将来の使用のための排出枠を確保することが可能ですが、排出枠は財産権には該当せず、温室効果ガスの特定レベルの排出に関する許可を示すものであります。

WCIタイムライン

WCI加盟国では2010年に排出されたガスに対し、2011年に排出量を報告することに同意しています。排出取引制度のフェーズ1は2012年の1月に導入が予定されています。これは輸入された電力を含む電力から得られる排出ガス、工業燃焼から得られる排出ガス、工業過程から得られる排出ガスを対象としています。2015年から導入が予定されているフェーズ2ではフェーズ1で対象外である運輸燃料、住宅用・商業用・工業用燃料が対象となっています。

他の規制におけるASTM D6866試験

  • AB32 – カリフォルニア州での温室効果ガス削減のためのイニシアチブ
  • 欧州連合域内排出量取引制度 – ヨーロッパにおける温室効果ガス排出量取引制度(cap-and-trade system)
  • AM0025 – 固形廃棄物処理に関する国連クリーン開発メカニズム(CDM)
  • US EPA – 米国環境保護庁による温室効果ガス報告義務規制

ベータ・アナリティック社: 精確なASTM D6866試験プロバイダー

フロリダ州マイアミに拠点を置くベータ・アナリティック社はWCIといった気候変動イニシアチブへ再生可能物質由来の温室効果ガス分画を測定するための精確なツールをご提供しております。当社はIISO/IEC 17025:2017認証放射性炭素年代測定研究所で、炭素14含有率を分析することにより、サンプル中の生物起源炭素濃度を決定することを可能としています。再生可能物質は炭素14を含みますが、化石起源由来物質には炭素14は残存していません。当社ではこの違いを利用して、物質中の生物起源炭素濃度を決定しています。

Last Updated: July 2018